GenYとしての2020年度

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GenYが注目すべきものは、将来のマーケットメーカーであるGenZやGenAlphaといった世代の価値観や世界観ではないか。

* GenY=”Generation Y” (およそ1980~1994年生まれ世代)
* GenZ=”Generation Z” (およそ1995~2009年生まれ世代)
* GenAlpha=”Generation Alpha” (およそ2010~2025年生まれ世代)

近況報告

2月から新たな団体で活動を始めました。以下、従来から参画している「都内水族館の展示ガイドボランティア団体」を中心に述べます。

3月末で、展示ガイド団体の運営統括担当を引退しました。最後の最後に、無茶なスケジュールでクラウドシステム導入プロジェクトを立ち上げ、無事にGo Liveまで持っていきました。私の得意分野を生かした、数少ない成果といえるでしょう。

それでも今回「引退」という選択肢をとった理由は、私が団体に対して期待される価値を提供できなくなったこと、団体が私の期待する価値を提供できなくなったことの、両方ともです。

前回の記事で述べた通り、例えば私が導入を推進したクラウドシステムも、業務効率化の面において「メンバーのコミット時間を生み出す」という観点において一定の効果はあります。もしかすると、「多様なコミットメント方法を受け入れ、活かすための組織デザイン」のツールとしても有効かもしれません。けれど、システムやツールというのは、それを使う人間の思い・世界観があって初めて生きるものであり、「業務効率化をしてどういうミッションを達成したいのか?」という理念がなければ何も生かせないのです。そして私はその理念を1年前に定義する活動を行ったわけですが、結局のところそれを、メンバーにとっての手触りのある身近な存在へと昇華できませんでした。

内省

私の力不足が大きな要因ですが、どんな能力が足らなかったのか振り返れば、やはり多様な価値観に対するキャパシティだったのだろうと思います。ここでのキャパシティとは、多様な価値観の存在を理解し受け止め、目指すべき姿と現実とのギャップを明確化し、対話を重ねながらギャップを埋めていくという、一連の地道なプロセス全体を指しています。私には、コミット時間が短いなりに、団体の構造的特性も十分に考慮しながら、それらを効果的に進めていくだけの力がなかった訳です。もちろん、私よりも優れたカリスマリーダーであれば、状況を打開できるのかもしれませんし、そんな人物像が団体内に眠っているのかもしれません。

今日は、団体の構造的特性を考えたいと思います。交通至便かつ人口密集の大都市で活動している環境的要因からか、同じカテゴリの団体の中では、平均年齢が比較的若いです。すなわち、シニア世代だけでなく若手世代まで、幅広く満遍ないメンバーが集結しています。それは、世代間の考え方の違いに対する配慮がよりいっそう必要になることを意味します。

単なるファクトとして、昨今の団体の運営会議においては、GenYおよびそれより若い世代の参画を生み出せていません。ここ1年ほどは、大多数が団体全体の平均年齢を上回る出席者で占められていました。ここでは「この状態が現在の団体にとってほんとうに適しているか」という良し悪しを論じませんが、少なくとも若手の意見が通りづらい構造であるという事実は客観的に導けるでしょう。

そしてあくまで私の主観として、この構造こそ、私が非常に物足りなく感じる部分です。私は団体の活動を通じて、特に未来を担う子供たち、そして若手世代への環境教育の重要性を強く認識しました。そのため、メンバーの中においても、若手世代が声を上げやすく、彼ら自身が自らの学びへと繋がる活動を創り上げていける状態を期待していました。

若手世代とのこれからの関わり方

しかし現在、私と団体は、互いに「可能であれば一緒にいたいけれど、いなくても困らない」という、つかず離れずの関係になりつつあります。だから、現状が極端に絶好調でも極端に絶不調でもない以上、その物足りない状況を好転させようという強い願いは、私にはありません。

一般論として、個人にせよ組織にせよ、社会の中で存続するためには、常に周囲の環境・情勢の変化へと適応していく必要があります。そのための現状・目標と課題・必要なアクションなどを分析しようとする活動は、どんな組織であっても求められるでしょう。

さらに私は、その活動内で可能であれば、将来的に組織をリードしていく世代の意見を積極的に取り入れていく必要があると考えます。しかし私自身が今まで、私にとっての同世代GenY、そして次世代GenZやGenAlphaの考えをまともに知ろうとしてきませんでした。

そして、私が「環境教育」という広いフィールドで活動しようとしている以上、「展示ガイドといった活動の枠にとらわれる必要がない」ということが辿り着いた結論です。そこで、そういったGenY, GenZそしてGenAlphaといった若手世代の価値観や世界観へ触れることを直接の事業内容とする、別の団体へジョインすることにしました。既に数か月参画して感じることは、そのような世代の「変化に対するより豊かな感受性」を感じます。これはあくまでステレオタイプに決めつける訳ではなく、当てはまらない人もいますが、あくまで私の主観として感じる一般的な傾向です。

他者からは、私は「元の展示ガイドの団体を捨てた」という見方をされるかもしれません。しかし私は、今後も展示ガイド団体に対してミニマムのサポートは続けますし、今後の私の活動の原点は、間違いなく展示ガイド活動そのものにあります。今回の私の選択は、今後の活動における成果が、元の団体の活動継続に対しても有益に働くものと確信してこそのものです。新年度も、引き続き、どうすれば持続可能な共存社会を実現できるか、バランス感覚を持ちながら考えていきたいと思います。

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