国内夜間MBAの振り返り Part2

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Part1より続く

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おかげさまで、2022年3月で東京都立大学大学院のMBAプログラム(経営学修士課程)を修了いたしました。本学のMBAについては、ネットに落ちている情報が少ないので、同期を見習って、入学を考えられている方向けに情報をまとめておきます。ただし、あくまで私の主観による推測も含まれますので、参考程度にされてください。内容的にほとんど不要だと思いますので、英訳は省略します。

3本の記事に分けたうちのPart2では、入学後の授業についてまとめます。

履修した授業

私が在学した2020~2021年度は、新型コロナウィルスの影響で、ほとんど全ての授業がオンライン開講となりました。最新の状況を十分に反映していない可能性がありますのでご注意ください。

履修した授業は計34科目68単位で、かなり多い方です。私は「どうせ忙しくなるからどれだけ取っても同じ」という頭のネジが数十本抜けた発想でしたので。コロナ流行直後だったため授業がフルオンラインとなり、さらに本業が8~10割テレワークとなったので、これだけ取れました。通学・通勤があればここまで多く受けられなかったと思います。実際にはこの半分くらいでも修了できます。ただし、いざ授業を選ぶ段階になると、面白そうなものが多数あって目移りするんですけどね。

学期取得単位平日土曜夏季集中
M1前24単位2コマ×3日4コマ2科目
M1後18単位2コマ×3日+1コマ×1日2コマ
M2前14単位2コマ×1日+1コマ×2日1コマ+ゼミ1科目
M2後12単位1コマ×3日2コマ+ゼミ

丸の内キャンパスの開講時間は、以下の表の通りです。南大沢などの東京都立大学の他キャンパスとは大きく異なるのでご注意ください。夏季集中は1科目につき、平日2コマ×8日あるいは土曜4コマ×4日のいずれかです。

時限平日土曜
1限10:30-12:00
2限13:00-14:30
3限14:40-16:10
4限16:20-17:50
5限18:20-19:50
6限20:00-21:30

履修した授業の、分野別の内訳は以下の通りです。

  • 経営組織系9コマ
  • 経営戦略系7コマ
  • ファイナンス4コマ
  • 経済学4コマ
  • マーケティング3コマ
  • 会計3コマ
  • ゼミ2コマ
  • その他(数理・ライティング)2コマ

都立大で特筆すべきなのは、ファイナンスや経済学の授業も受けられることだと思います。ファイナンスの一部の科目は、金融工学や数学の基礎知識が前提となる(M1前期に週2コマ数学科レベルの確率論を叩き込んだうえで、その理解を前提とする)ので人を選びますが、理工系育ちの人であれば積極的に挑戦すると良いと思います。

授業を受けてみて

最初に、都立大MBAの時間割の組立て方について、受けてみて感じたポイントを3点紹介します。

まず、「平日夜間も土曜も両方とも履修することが想定された時間割になっている」ということです。時間割の枠すべてで授業が開講されている訳ではなく、経営学の基礎的な科目の多くは平日に開講されています。つまり極端な話、土曜の4科目×2単位×4学期=32単位だけで、必要単位を充足できるという訳ではありません。

次に、「1コマ90分の授業時間に加え、レポート作成やグループワークのために、少なくとも同じくらいまたはそれ以上の時間をかける必要がある」ということです。これは一般的な大学学部の授業と同様です。もちろん、さらにそれらと別に論文執筆のための時間が求められます。

そして、「M1で取りたい授業があったら、極力M2へ先延ばししない方が良い」ということです。理由は2つあり、1つめはM2では論文執筆の負荷が格段に上がるためです。2つめは、特に専任教員・外部教員を問わず時間割が毎年変わるためです。なお、仕事が忙しいなどの理由で、学習時間の捻出ができない場合、各科目の担当の先生次第で、単位を取らずに受講するいわゆる「モグり」が許可されることがあります。また、どうしても取りたい授業が取れない場合、基礎的な科目に限り、修了後に「科目等履修」という制度を使って1科目単位で受講することも可能です。

このように時間割を組んだうえで、実際の授業を受けるにあたって「ついていけるかどうか」という不安の声は、周りでも多く聞かれました。私も社会人暦が浅く、学生同士のディスカッションやグループワークがある授業では、入学してみると、周りの同級生の勤務先や役職にたじろぐ場面はありました。しかしだからこそ、仕事と同じく「このディスカッションでバリューを出せたか?」を常に意識していました。必ず自分にしか出せない発想や着眼点からのアウトプットはあるはずです。特に20代・30代ならではの知見は貴重だと思います。それを他のクラスメートへ提供できるのであれば自信をもって参加できると思います。私の場合、IT分野・非営利団体・環境問題やCSRの知見あるいはZ世代との交流経験などは、周りから一歩抜き出た強みでした。逆に自分が持っていないものは、必要になったときに調べたり勉強したりしてインプットすればよいのです。自分にとっては当たり前で陳腐な意見だと思っていたものであっても、他の人にとっては全く新しい気付きを生み出すことだってあります。

国内オンラインMBAで役立ったツール

入学が決定した後は、予習やさらなる研究計画の練り込みを行うのはもちろん、学習環境の整備も必要になっていきます。ここではMBAで役立ったツールを紹介します。まずは書籍代・飲み代の他に、何を用意するのにどれくらいの予算が必要なのか、2年分の見積もりをしておくと良いと思います。ただし、一気に購入するのではなく、様子を見ながら少しずつ買い足していくと良いと思います。必要経費としてご家族を説得する際のご参考にして頂けると幸いです。

《》内は私が使っており、当時おすすめしたいと感じた機種です。現在はその上位機種が出ている場合があります。

ハード

  • オフィスチェア&ワークデスク(必須)
    入学決定直後、ショールームで試座したうえで、15万円の椅子を買いました。おかげでコロナ禍のテレワークも快適です。なにぶん長時間机に向かいますので、変な姿勢をしていると体を壊します。なんのためにMBAに行ったのかわからなくなります。《オカムラ バロン CP82DS》
  • ノートPC(必須)
    タブレットでもよいですが、レポートや論文を書くときはキーボードを繋がないと辛いと思います。《Panasonic レッツノートSV7》
  • Bluetoothイヤホン&スマホ(必須)
    通勤中や家事をしている間などのスキマ時間は、ひたすらインプットの時間です。オンライン授業やゼミの録画の復習のために使います。《SONY MDR-EX31BN》
  • 有線イヤホン(必須)
    Bluetoothの電池が切れたときに即座に接続できるよう常備。出張帰りの新幹線からオンライン授業に参加していた方もいました。《Bose QuietComfort20》
  • プリンター(必須)
    論文の推敲と最終稿の提出に利用。量が増えてくると印刷しないと細かくチェックできません。特に古い機種を使っている人は、提出直前に壊れると悲惨ですので、紙・インク共に早めに用意しておくとよいです。逆にスキャナはほとんど使いませんでした。配布資料は全てペーパーレスだったからです。《BROTHER DCP-J940N》
  • ボイスレコーダー
    インタビュー調査する人は必須。ゼミなども録音して、通勤中に何度も聞きました。《SONY ICD-UX523F》
  • デュアルモニタ環境
    授業・ゼミ受講時、画面共有を行う際に便利です。1度体験すると1画面には戻れません。最近では持ち運び可能なモニタも良いものがどんどん出ています。
  • USBメモリ
    外で突発的にスキャナを使う時などに使用。クラウドが普及した昨今、USBでのデータ受け渡しはなかなか無いと思いますが。《SONY ICD-UX523Fを流用》

ソフト

  • OneDriveなどのクラウド環境(必須)
    複数端末間でのデータ同期だけでなく、自動でバージョン履歴を保持してくれる機能があるので便利。
  • 動画倍速再生アプリ(必須)
    動画の高速再生は基本です。
  • 画面キャプチャショートカット(必須)
    これは無意識で打てるようにしましょう。windows は windows+shift+S 、macは command+shift+4 。
  • 文章読み上げソフト
    論文の校正に使います。全文を自分で音読チェックするのは大変です。《かんたん!AITalk 3 5話者パック》
  • audiobook
    授業で紹介される本の一部には音声版があります。サブスク契約せずとも、まとめ買いで十分に安くなります。
  • Slack
    学生同士のコミュニケーションに使用。無料版で十分。

Part2.5へ続く

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